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現場作業での熱中症対策|WBGTの正しい見方と安全管理のポイント

WRITER:SOUMU
こんにちは!
夏本番を迎え、現場での作業において特に注意が必要なのが「熱中症」です。特に屋外や空調のない屋内空間で作業をされる方にとって、
熱中症は命に関わる重大リスクのひとつです。
そこで今回は、熱中症対策として注目されている「WBGT値(暑さ指数)」について、
その見方や活用方法を中心に、現場で実践できる予防策をわかりやすく解説します。
■ 熱中症とは?なぜ現場で注意が必要か
熱中症とは、体温の上昇や水分・塩分の不足により、体のバランスが崩れて起こる症状です。症状は、軽いめまいやだるさから始まり、重症化すると意識障害やけいれん、最悪の場合は死に至ることもあります。
特に現場作業では、
-
高温多湿な環境での作業
-
重い防護具や作業着の着用
-
長時間の屋外作業
-
こまめな水分補給の難しさ
といった要因が重なり、熱中症リスクが非常に高くなります。
■ 「WBGT値」とは?熱中症予防の指標
WBGTとは「Wet Bulb Globe Temperature(湿球黒球温度)」の略で、
人体の熱バランスに影響を与える「気温・湿度・日射・風」を総合的に評価した指標です。
通常の温度計では把握できない「暑さの危険度」を視覚的に示すため、
厚生労働省や日本生気象学会などでも熱中症予防のための基準値として使用されています。
■ WBGT値の目安と対策レベル
WBGT値(℃) | 危険度 | 作業上の対策例 |
---|---|---|
31以上 | 危険 | 原則中止。特に高齢者などは外出を避ける。 |
28〜31 | 厳重警戒 | 激しい運動・作業は中止。休憩頻度を増やす。 |
25〜28 | 警戒 | 定期的な休憩と水分・塩分補給を徹底。 |
21〜25 | 注意 | 初心者や高齢者は体調に注意。 |
21未満 | 安全 | 通常通り。ただし無理は禁物。 |
※出典:環境省「熱中症予防情報サイト」
■ WBGTをどう現場に活かすか?
① 現場にWBGT計を設置
携帯型のWBGT測定器を導入し、リアルタイムで暑さ指数を計測します。
屋外・屋内(空調のない工場等)ごとに設置し、作業員全員が値を確認できるようにするのが理想です。
② 作業内容の調整
WBGT値が高い時間帯は、重作業を避け、軽作業や点検業務などに切り替える工夫を。
可能であれば、作業時間を早朝や夕方にシフトするなどの柔軟な対応も有効です。
③ 休憩と水分補給の「ルール化」
例えば「WBGT値が28以上なら30分ごとに5〜10分休憩」など、明確なルールとして全員に周知しましょう。
また、スポーツドリンクや経口補水液など、塩分も含んだ飲料の提供が望ましいです。
④ 作業前点検と声かけ
作業開始前に体調確認を行い、体調がすぐれない人には無理をさせない風土作りも大切です。
また、「こまめに水分取った?」「ちょっと顔赤くない?」など、互いに声を掛け合う文化を育てましょう。
■ 熱中症対策の制度化・見える化もおすすめ
最近では、熱中症対策を「マニュアル化」したり、「WBGTモニターの設置記録」を保存するなど、
**安全管理体制として見える化する企業も増えています。
これにより、対外的な安全意識の高さのアピールにもつながります。
■ まとめ:熱中症は“対策できる災害”
熱中症は「予防できる災害」とも言われます。
WBGTを活用し、現場環境や作業員の体調に応じた柔軟な運用を心がけることで、安全で快適な職場環境の実現につながります。
「うちは毎年対策してるから大丈夫」ではなく、その年の気温・湿度の傾向や作業スケジュールに応じて見直す姿勢が重要です。
今年の夏も、全員が無事故で乗り切れるように、今一度、熱中症対策を見直してみませんか?
【参考リンク】
・環境省 熱中症予防情報サイト:https://www.wbgt.env.go.jp/
・厚生労働省「職場における熱中症予防対策マニュアル」
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